クラウド時代に「買って済ますべきもの」と「自分たちですべきもの」

クラウド
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今回はクラウド時代に「買って済ますべきもの」と「自分たちですべきもの」の話を書きたいと思います。

まず断っておくとこの話は私が全部自分で考えたものではありません。私が敬愛するMicrosoftのJeffrey Snover(@jsnover)さんの受け売りです。ですが、話を聞いたのは今から2年以上前であり、それから色々な人と色々な話をする中でいつもこの話が思い出されます。私のなかでかなり咀嚼したのでオリジナルのメッセージとはずいぶん異なっている気もしますが、私が考えていることを一度文章にしておきたいと思います。

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買って済ましているもの、自分でしているもの

世の中には色々となすべきことがあります。原始時代には全てのことを全部自分やごく近くの人で全て行う必要があったのだろうと想像します。衣食住に至るまで全て。

でも、今では社会も複雑になり、様々なものを「買って済ます」ことができるようになりました。というか殆どの物は「買って済ます」の範疇に入ります。着るものはお店で買いますし、食べるものは朝晩は妻に作ってもらっていますが、材料はごく一部を除いて食材は購入しています。昼食に関しては全て買って済ませています。家も自分では建築せずに作ってあったものを買いました。

自分では何をしているのかというと…、例えば子供たちと触れ合うことは自分でやっています。誰かにお金を払って父親の役割を代わりにやってもらうことは私にとっては考えられません。例えば、このブログは自分で書いています。誰かにお金を払って書いてもらうことも可能ですが、私はそれはしません。

父親であることも、自分でブログの文章を書くことも私にとってはそれが「大事」なことであり「自分の時間を投資すべきこと」だという方針と成長戦略のもとで直接自分で取り組んでいます。

買って済ますもの、自分ですること、人によってそのリストは異なるでしょうし、何かが正解だったり不正解だったりするわけではありません。それがその人の人生ですから、個々人の価値基準に基づいて自分の人生の責任をもって決定されるべきことです。

企業において買って済ますべきこと、自分たちですべきこと

企業について考えます。企業の目的…という話になってしまうと、社会貢献であるとか、利益であるとか、いくつか見解の相違も出てきてしまうと思いますが、「差別化要因でないことは買って済ますべき」という点に関してはおおよその方が合意するのではと思います。(個人の生活の話よりは合意しやすいと思います。)

企業としてユニークな存在になるために「買って済ませられない」ことを自分たちで行い、「買って済ますことができる」ことは買って済ませる。

異論反論は細かくはあるとは思いますが、一度この前提を受け入れて、ITの領域に目を移してみたいと思います。

ITは「買って済ますべきこと」か、「自分たちですべきこと」か

ITは買って済ますべきことでしょうか?自分たちでなすべきでしょうか?あるいは何が買って済ますべきことであり、何が自分たちでなすべきことでしょうか?

明らかに買って済ますべきこともあります。PCやサーバーは(特別なものを除き)自分たちで部品を選択してくみたてるのではなく、やはり出来合いのものを購入すべきでしょう。

あるいは、インターネット上でサービスを展開しているケースを考えましょう。やはりこの場合自社の独自サービスは自分たちで企画すべきでしょうし、スピードや継続性を考えれば自分たちで作るべきでしょう。これは例えばMicrosoftがOffice 365やAzureのサービス自体をMicrosoftが企画、設計、構築するのが当たり前であるということです。そこを他社にお願いしていては企業の競争力の根幹が揺らいでしまいます。

一般の企業にとってどこが境界線か?

では、一般の企業にとってはどこまでが買って済ますべきことでしょうか?

私は個人的に、本当にほとんどのところは買って済ますべきだと考えています。本当に企業としての差異を出す所以外は全部買って済ませていいのではないかと考えていまます。社内に基盤を構築する所は企業の差異を出せるところではありません。だからパブリッククラウドを積極的に利用すべきだと思いますし、IaaSを使って自分たちで仮想マシンの管理をするのではなく、極力PaaSを使ってプラットフォームの面倒は見なくてよいようにすべきですし、可能であれば極力SaaSを使うべきだと考えます。

この考え方は特に「インフラエンジニア」の方には受け入れがたい考え方だと思います。まさに自分が今している仕事の大部分が「なくなったほうがいい」という話だからです。

それでも私は自分がインフラ構築の仕事を長い間続けてきて色々な苦労をして、たくさんの勉強をして、それでももう自分では仮想基盤を構築したくないですし、仮想マシンの管理をしたいとは思いません。コミュニケーション基盤はOffice 365で良いと思いますし、ID管理はAzure ADで良いと思いますし、デバイス管理はIntuneで良いと思いますし、なにかロジックを組みたくてもまずはサーバーレスで考えますし、極力PaaSを使います。オンプレミスに環境が必要ならAzure Stackを選択します。はやくAutoPilotが広く普及して管理者の手を煩わせずにPC展開できるようになってほしいと思います。

買って済ますべきところを極力買って済ませたしてもやはり残るところは残りますし、他者との差別化の部分にこそ開発リソースを使うべきだと思います。

日本においてまだこの考え方になっている組織にはほぼ出会っていないのですが、Igniteで海外の管理者に話を聞くと「これからはServerlessだ!」と多くの人が言ってました。このような考え方が日本でも広まってくれると良いなと思っています。

プロフィール
この記事を書いた人

Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management。「Windowインフラ管理者入門」という本を書きました。Windows系中心のインフラよりの何でも屋。脱原発。エレキベース, ドラムを演奏します。将棋もちょっとやります。

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